司法修習生の給付制復活に世間は非難轟々になりそうな件

 

Yahoo!のトップニュースにもなっていましたが、法曹関係者の執念が実ったようです。

 

司法修習生に「給費制」復活へ…貸与と併用で

国が司法修習生に生活費などを一律に支給する制度が新たに創設されることが、関係者の話でわかった。

来年度の最高裁予算案に盛り込まれる見通しで、給付額については、財務省と法務省などが最終調整している。2011年に廃止された「給費制」が、来年の司法試験合格者から事実上、復活することになる。

※読売新聞のサイトより引用

 

 

 

要は2011年にいったん廃止された司法修習生に対する給付を再開するということ。

 

給付とは事実上のお給料で、防衛大学校の学生なども給付を受けています。

 

まあ、いったん廃止してものを復活させるなんて、エリート優遇とか否定的な意見がいっぱい出てくるのは目に見えています。

というか非難轟々になって炎上しそう。

 

既にツイッターにもその手の呟きがどんどん増えていますし。

 

でもね、個人的にはこの復活は仕方ないと思いますよ。

 

事実上働いているのに無給は可哀想過ぎる

 

司法試験に合格した後、弁護士や検察官や裁判官になるためには1年の研修を受けなければいけません。

昔はもうちょっと長かったのですが、司法試験改革で法科大学院が設置されると、基礎的な教育は法科大学院で行うという名目で短くなりました。

 

しかし結果的にこれが間違いの元でしたね。

法科大学院は司法修習所が行う教育の一部を実施する場所というイメージを法科大学院側に植えつけてしまい、司法試験に合格させる力よりも、法曹として教育(論説や弁護実務など)を優先させる形となって、法科大学院出身者の司法試験合格率を下げる元凶の1つになったのですから。

 

話が逸れました。

修習の話に戻りましょう。

司法修習は一応修習という名前は付いていますが、検察や裁判所や弁護士事務所を回っている間、雑用などもしっかりとさせられるのですよ。

 

今問題となっている農家の外国人研修と同じようなもんです。

もちろんそれも勉強の一部と言えなくてありせんが、1年無給でやるのはさすがに問題です。

 

自分に置き換えてください。

 

資料の整理などをやらされているのに無給なんて我慢できますか?

 

そして問題は無給であることだけではありません。

実は司法修習やっている間は原則アルバイト禁止(例外あり)なのです。

 

司法修習中は司法の仕事を身につけることに集中しなければいけないというのが理由らしいですけど、無給の上にアルバイト禁止ってあんまりだと思いませんか?

一応許可があれば例外的にできるようですけど、ほぼ許可が出ることはないらしいです。

 

2011年に司法修習の給付制が廃止となった時、アルバイト禁止も同時に廃止してはどうか?という意見もあったそうですけど、結局廃止されず今も残っています。

 

こういう事情があるので、個人的には給付制復活は賛成です。

 

 

司法試験者数を維持するための手段の側面も

 

残念ながら弁護士の供給過剰で、司法試験の受験者数は減少の一途を辿っています。

でも今は供給過剰だとして、20年30年先はどうなっているでしょう。

急に需要が増えても肝心の法曹関係者がいなければそれこそ大問題となります。

 

ですので今から少しでも司法試験受験者を維持できるように、いろいろな政策を実行しなければいけません。

 

給付制の復活は、少なくとも司法試験受験者数の維持に資するものだと思います。

だって貰えるものならは貰った方がいいですよね。

それに法科大学院出身の司法修習生の多くは、すでに奨学金漬けになっており、司法修習中にさらに奨学金を借りるのは躊躇するはず。

 

給付制が復活すれば、司法修習中の最低限度の生活は維持できるはずで、バイトの解禁などはしばらくは必要なくなります。

 

 

終わりに

 

新聞に掲載されるぐらいですから、反対が多くてもおそらくひっくり返ることはないでしょう。

 

給付制が復活するのですから修習を受ける方も国民の税金を頂いているということを忘れず、修習で自分を磨いて欲しいと思います。

 

 

追記(2018年6月8日)

この記事を書いた後、司法修習生の給付制は新聞の報道通り復活しました。

月額13万5000円、これに修習地での住宅費として別途住宅手当3万5000円が支給されます。

この金額を見てあなたはどう思いますか?

 

さすがに支給額が低すぎるような気がします。

普通の大卒の初任給より安いですからね。

 

記事本文の中では、しばらくはバイト解禁について考える必要はないという趣旨の記述をしましたが、さすがにこの金額だとバイトの種類を限定して解禁した方がいいかもしれません。

 

確かにバイトを解禁すれば、司法修習が疎かになるかもしれないと懸念は理解できます。

でも生活費が足りない場合もそれが気になって司法修習に身が入らなくなるかもしれません。

 

バイトの種類はさまざまです。

司法修習の妨げにならないものだってあるでしょうから、種類を限定してバイトを解禁すべきだと個人的には考えます。