「みなし仮設」の制度を利用して利益を上げた人達がいるらしいが違法性はないの?

 

今日の熊日の朝刊に載っていたニュース。

「そんな奴いるのか?」と思うより「やっぱりね」、と思った人の方が多いような気がします。

 

「みなし仮設」家賃上乗せ 熊本市の不動産業者

 

熊本市内の不動産業者が、熊本地震で「みなし仮設」に入居する被災者にアパートの家賃を4万7千円で提示しながら、実際に家賃の支払いを受ける市とは6万円で契約していたことが、19日分かった。この不動産業者は「ほかにも10~15の物件で同じように値上げした」と言っている。

みなし仮設の家賃は災害救助法に基づき国と県が負担し、市など自治体が支出する。上限は6万円。不動産業者はこの部屋がみなし仮設として利用されることに便乗し、入居者募集価格より1万3千円高く、上限いっぱいに引き上げていた。仮に2年契約とすれば計31万2千円が税金から余計に支払われることになり、そのほとんどはアパート所有者(オーナー)の利益となる。

 

2017年1月20日 熊日新聞のサイトより引用

熊本のニュース | ニュース | 熊本日日新聞社

 

要はみなし仮設の制度を利用して、被災者と合意した賃料以上に税金を貰っていた賃貸物件の家主がいたよという話です。

 

去年4月の熊本地震で多くの住宅が被害を受けました。

 

当然被災した人たちのために仮設住宅が作られましたが、人口が多い熊本市などでは到底数が足りません。

 

そのため民間の賃貸物件を仮設住宅類似のものと定め、最大月6万円まで家賃を税金から出すようにしました。これがみなし仮設の制度です。

 

今回の話は、実際に賃貸住宅に住む被災者には家賃は4万7000円と説明したのに、自治体などに請求する家賃を6万円と報告し、差額の1万3000円を得ていたということ。

 

まあ一般人の感覚で言えば、「おかしいんじゃね?」と思う話ですよ。

 

では今回の話違法性はないのでしょうか?

 

不動産業者が利益を得ていれば違法になる可能性がある?

 

引用した記事によると差額はすべて家主のものとなり、不動産業者は差額分の利益は得ていないように読めます。

 

ただ不動産業者が何ら利益がないのにこんな危ないことをしますかねえ。

 

一応宅建業法46条1項と2項により、不動産業者は賃貸物件の媒介で決められた以上の仲介手数料を得てはならないとされています。

 

今回の場合、報酬の元となる賃貸借契約が自治体と家主のものと考えるようなので、この両者で決めた賃料を元に仲介手数料を計算してそれを不動産業者が得ることになっています。

 

つまり今回の場合は4万7000円ではなく6万円を元に仲介手数料を得ているはずなのです。

 

ただ解釈のよって物件に居住するのは被災者ですので、賃貸借契約は被災者と家主との間に結ばれたと考えることもできなくはありません(書類上は自治体、被災者、家主の三者による賃貸借契約となっているので解釈がいろいろできる)。

 

その場合6万円を元に報酬を受けることは、宅建業法46条に反することになります。

 

そうすると同法80条により一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科される可能性が出てくるのです。

 

6万円の仲介手数料の方が4万7000円の仲介手数料より高いのは明らか。

 

つまり仲介手数料の差がそのまま不動産業者が得た利益と考えることもできます。

 

まあ、解釈によってこの辺の線引きは微妙ですから、完全に違法とは言えません。

 

 

 

終わりに

 

供給が需要を上回り、供給側が値段を上げるのは資本主義では当たり前の話です。

 

でも今回は制度を利用して通常得られるはずの賃料より多くの金額を税金で貰っていると言えます。

 

もちろん制度に穴があるのも問題ですけど、被災者のための制度を利用して利益を得ていることが釈然としません。

 

今後どうなるかわかりませんけど、しっかりと制度を見直して、今回のように利益を得る者がいなくなるようにしてほしいです。