法科大学院の失敗は予備試験の受験資格を甘くしたためじゃね?

 

 

Yahoo!ニュースのトップ欄。

この記事が載ってましたね。

 

法科大学院、半数が廃止・募集停止 背景に政府読み誤り

弁護士や裁判官ら法曹人口を大幅に増やす狙いで国が設立の旗を振り、ピーク時には74あった法科大学院の半数近くが、廃止や募集停止になったことがわかった。2004年のスタート時に参入を広く認めたが、政府による法曹の需要予測が外れたこともあり、来春に向けて募集を続けるのは39にとどまる。全体の志願者は最多だった04年の7万3千人の1割程度にまで落ち込んでいる。

 

(中略)

 

背景には、政府の法曹需要の読み誤りがある。政府は02年、経済のグローバル化や知的財産分野の拡大で弁護士が足りなくなると見込み、年間1200人程度だった司法試験合格者を3千人にする目標を閣議決定。これを受け、大学は法科大学院を次々に新設した。自らの法学部のブランド価値を上げる狙いもあった。政府は16年度までに964億円を支援した。

 

だが、法曹需要は増えなかった。裁判所が受理した事件数は15年は約353万件で、04年より約4割減。また、法科大学院修了者の司法試験合格率を7~8割と見込んだが、最近は2割台に低迷していた。11年からは経済的な事情を考慮し、法科大学院に通わなくても司法試験の受験資格が得られる「予備試験」も開始。直近の司法試験では合格者の約15%を占め、法科大学院の意義が問われる事態になっていた。

2017年7月31日 朝日新聞のサイトより引用

 

 

朝日新聞の十八番、政府の失政を攻めたてる記事です。

でもこれ言っていることは正しいと思います。

 

確かに政府が予測した需要予測、記事に記載の通りことごとく外れていますから。

 

裁判所に持ち込まれたものは、法科大学院が設置された2004年と比べて4割減って、減り過ぎでしょ。

 

 

どうして政府は需要を読み間違った?

 

世界がグローバル化し、日本もアメリカ並みに訴訟社会になるって政府は読んでいたのでしょう。

確かにビジネスの世界では、白黒つけるために訴訟になったり、仲裁求めたりするのがスタンダードであり、その分野での弁護士需要は確実にあるでしょう。

 

しかし日本以外の世界と異なり、日本人はできれば荒立てることなく、穏便に解決するのを好む民族ですからね。

 

そして裁判というのは当事者で解決できない場合の最終手段という側面が日本では強いですから。

 

本当は訴訟に持ち込み、そこで交渉して両当事者が納得できる落としどころを見つけたりするのですけど、日本人は訴訟=争うってイメージが強いので、どうしても訴訟になったら争うしかないと思ってしまいがちです。

 

弁護士需要を読み間違った理由としてはもう1つ、ネットの普及をあげることができます。

 

現在はネットで調べるとすぐに情報を入手することができます。

昔と違って法律知識も裁判の知識もネット経由でいくらでも入手でき、わざわざお金払って弁護士の知恵を拝借する必要はありません。

よっぽど面倒な事案でない限り。

 

また昔と異なり、裁判所に行けば、法律相談コーナーがあり、そこで訴訟の方法や訴状の書き方などを懇切丁寧に教えてくれます。

 

だから少額訴訟や債務整理で弁護士使わない人も増えているのです。

 

そりゃあ政府だって需要読み間違えますわ。

 

 

 

法科大学院の失敗は予備試験のせい

 

弁護士需要が伸びないため、弁護士の養成機関たる法科大学院の需要も伸びないは当たり前です。

 

でも一番の理由は予備試験の導入ではないでしょうか?

 

もともと法科大学院ができる前は誰でも自由に司法試験を受験できました。

 

しかし法科大学院が設置されると司法試験の受験資格が法科大学院を卒業して法務博士号を授与されたものに限定されてしまったのです。

 

法科大学院は高額の授業料を設定しており、普通の人は通うことができません。

 

そこで政府は法科大学院に通えない人のために予備試験を設けて、お金がない人でも司法試験を受験できるようにしたのです。

 

でも政府は予備試験の受験資格に年収制限などを設けませんでした。

 

お金ある人も受験できるのですから、卒業するまでに最低2年を要する法科大学院に通わず、民間の司法試験予備校で勉強して予備試験受けた方が時間的にも金銭的にもお得ですよね。

 

そりゃあ誰だって予備試験経由で受験しようと思いますわ。

 

 

法科大学院を復活させるにはどうする?

 

法科大学院の設置の目的の1つは多用な人材を法曹界に送りこむことだったと思います。

 

しかし予備試験の間口を広げ過ぎたせいで、結局昔のような詰め込み教育一辺倒で予備試験を突破した人間がどんどん司法試験に合格している事態になってます。

 

こうなった以上、制度失敗は明らか。

どうしても法科大学院制度を存続させたいのなら、予備試験に年齢制限や年収制限を付するしかないでしょう。

 

それか公務員試験の受験条件に法科大学院卒を付け加えるか、法科大学院卒ならば公務員試験で加点するようにするという手もあります。

各界から非難轟々になるでしょうけどね。