法科大学院を1年短縮する案が出るらしいけど、それだけでは不十分だと思う理由

司法改革の結果誕生した

法科大学院。

しかし誕生から10余年、

志願者の減少に歯止めが掛からず、

一方で予備試験経由で

司法試験に挑戦する人が

増えています。

この現状を変えるため、

文科省は法科大学院に1年短縮した

コースを新設させようとするようです。

法科大学院 1年短縮 文科省改善案、来年の導入検討

文部科学省は、志願者の減少が続く法科大学院の改善案をまとめた。大学の法学部進学者が学部3年、法科大学院2年と、現行制度より1年短い5年で法科大学院を修了できる「法曹コース」の設置を大学に促すほか、法学部卒ではない「未修者」を法科大学院入学者の3割以上とする基準を撤廃する。多様な人材を集め、時間をかけて法曹を養成することを目指した司法制度改革の理念から大きな転換となる。

文科省は5日にある中央教育審議会の特別委員会で改善案を示す。未修者枠は今年度末に撤廃し、法曹コースは早ければ2019年春に導入する見込みだ。

 司法試験の受験資格を得るには、誰でも受験できる司法試験予備試験に合格するか、法科大学院を修了する必要があり、修了までは大学の法学部4年、法科大学院既修者コース2年と、最短でも6年かかる。時間と費用がかかるため、予備試験の受験者が増える一方で法科大学院の志願者は減少しており、文科省は1年短縮できるコースを作ることで「法科大学院離れ」を食い止めたいとしている。

 法曹コースは、学部で法科大学院の科目を一部先取りするなど一体的な教育課程にする。法科大学院に進むには入試に合格する必要があるが、定員の一部に法曹コースの学生を対象とした選抜枠を設けて呼び込みを図る。ただし、大学卒業に必要な単位数は変わらないため、学生の負担が増えるといった課題もある。

2018年2月3日付 毎日新聞より引用

https://mainichi.jp/articles/20180203/k00/00m/040/155000c

この記事の要旨は、

・学部と法科大学院の教育を一部共通化する

・学部3年法科大学院2年の計5年で卒業できるようにする

・全体に3割という未修者枠を廃止する

というものです。

未修枠の廃止に関しては

別の機会に考えるとして

今回は期間短縮について考えてみましょう。

個人的には

期間短縮は好ましいと思います。

誰だって早く受験資格を得て

本番である司法試験を受けたいと

考えているはず。

しかし現行の法科大学院は

学部卒業を前提とし、

さらにそれに加えて最短でも

2年しないと司法試験の受験資格を

貰えません。

その一方予備試験は

受験制限がほぼなく、

下手をすれば大学1年生で

司法試験の受験資格を

得ることができるのです。

それを考えたら

今回の改善案でも

不十分な気もするかもしれません。

しかし実際のところ

予備試験問題もそれほど

簡単ではありません。

一部の本当の天才を除き、

予備校などで法律の基礎を学ばなければ

まず予備試験を突破するのは不可能。

それを考えれば

1年でも短縮できるならば

一定程度の効果があると

考えることができるでしょう。

今回の改善案だけでは足りないと思う理由

前述したように

今回の改善案について

私はかなり肯定的です。

しかしそんな私でも

まだこの改善案だけでは

足りないとも思います。

現在の法科大学院の不人気の

原因は時間が掛かることだけでは

ありません。

それと同じくらい授業料などの

高さが不人気の原因となっています。

法科大学院の設立の理念の1つに

社会経験を積んだ社会人が

法曹界に入る手助けを行って、

法曹界に多様な人材を送りこむことに

ありました。

そのための未修3割の枠であり、

高めの授業料設定だったのです。

しかし当初の目標であった

法科大学院卒業者の司法試験合格8割は

達成できず、

さらに弁護士の供給過剰による

弁護士への魅力が薄まった結果、

社会人から法科大学院に進む数が

激減。

そうなったならば

学部を卒業した学生をターゲットに

しなければいけませんが

高めの授業料がネックになっているのです。

だからこそ、

今回の改善案では足りないのです。

期間短縮のコース新設を

法科大学院に求めるのだったら、

それに合わせて授業料を安くする様に

求めるべきです。

それともう一つ、

予備試験の要件厳格化も必要だと考えます。

予備試験が設けられた理由は

法科大学院に通うことができない人材にも

司法試験の門戸を開くためだったはず。

しかし現状は

資力などの要件がありませんから

誰だって受験できるようになっているのです。

確かに学生が受験層のメインなので

資力要件をつけてもどれだけ意味があるかは

わかりませんが

一定程度の抑止力にはなるはずです。

法科大学院制度をこのまま存続させるつもりなら

絶対に要件厳格化は避けられないと考えます。

終わりに

期間の短縮は

ある程度の効果はあるでしょうけど、

不十分。

これに合わせて授業料の引き下げができれば

かなりのインパクトがあるはずです。

法科大学院制度を維持するつもりなら

さらに踏み込んだことをするべきだと

考えます。

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