おっさん世代も知っておくべき遺産相続の仕組みと簡単な計算方法について

私の同年代の方はそろそろ自分の親の相続に関して考えなければいけません。

たぶん多くの方が相続について、「面倒臭い」とか「親に目ぼしい財産がないから

相続なんて関係無い」とか思っているはず。

しかし現実のところ相続は避けては通れない問題です。

ある調査では相続に関する紛争の多くが相続財産5000万円前後の家族だったとか。

5000万円程度なら一戸建てやマンションなどの不動産を持っているところなら簡単にいくぐらいの財産です。

脅すような書き方をあえてしますが、相続問題はいつ起こってもおかしくない問題ということを認識しましょう。

実際に相続問題に直面した時、慌てないように相続用語の意味や趣旨、そして相続に関する計算方法ぐらいは知っておくべきです。

今回はそのようなものを纏めて書きますので、ここに書いてあることぐらいは覚えておくと何かと役立つと思います。

相続の基礎知識について

では相続の基礎知識を確認していきましょう。

相続とは何か?

相続とは人が死亡した時、死んだ人の財産をその遺族が受け継ぐことを言います。

ただ遺族といっても、基本相続に関係してくるのは2親等以内の親族、つまり死んだ人の妻子供、そして親兄弟ぐらいまでが対象になると考えてください。

この辺はあんまり難しく考えても仕方ありませんので。

相続財産はマイナスのものも存在する

財産という言葉を聞くとお金とか不動産とか貰ったら自分にプラスになるものだけをイメージしますよね。

でもそれが一番危ない考えなのです。

実は相続財産の場合、プラスのものだけでなく、マイナスのものも財産として相続の対象になるのです。

例えば死んだ人の借金。

仮に借金を知らずに相続してしまうと、法的にはその借金も相続した人に返済する義務が生じます。

もちろん借金などのマイナスの財産について全く知らなかった場合は、例外的に裁判で救済さえる場合もなくはないですけど、レアケースですし、裁判を起こすことによって弁護士費用など余計な出費が増えてしまいます。

遺言は絶対ではない

相続で揉めないために生前遺言書を作成する人が増えています。

確かに遺言書があれば、揉めること無く相続がスムーズに進むはず。

でもこの遺言って相続の対象者全員が同意するとその遺言を無視することも可能なのです。

それじゃ遺言残す意味ないじゃんと思われるかもしれませんが、実際の問題、遺言通りに遺産を分割すると都合が悪いことも出てくることが多々あります。

遺言って遺言を書く人の感情に左右され、現実を無視する場合が多いのです。

そのため法律の規定により相続人全員の同意があれが遺言を無視して遺産を分割できるようになっています。

ただ遺言で得をする人、逆に損をする人がいますので、全員の同意を取りつけるのは結構大変ですからね。

そしてこういうことが原因で親族間で不和が生じることになります。

ホント金って怖いです。

遺留分は遺言に関係なくもらえる

遺言で遺産の分割が決められていた場合、遺産がゼロとなる方もいるかもしれません。

遺産を当てにしていた場合はショックを受けることでしょう。

ただ遺言で相続する財産がゼロとされても、民法では遺留分といって一定割合の財産の相続が認められているのです。

だから親から勘当されて遺言状で1円も相続させないと書いていても、幾ばくかの財産を得ることは可能となっています。

ただ遺留分は法定相続分の半分以下ですのでその点はご注意ください。

相続分の意味内容について

相続分という言葉を聞いたことはありますか?

この相続分が相続する場合、重要な言葉になってくるので是非意味内容を覚えてください。

相続分(法定相続分)って何?

相続分とは相続によって貰える相続財産の割合のことです。

日本の場合、民法に法定相続分が規定されており(民法900条)、遺言が無い場合はこの法定相続分に従って相続財産が分割されることになります。

ただし前述した通り、相続人全員の同意があれば、遺言を無視して自分たちで相続分の割合を変えることが可能となっています。

財産を持っていた人が求めた通り分けるのが筋ですが、死んだ後の状況によっては

財産を持っていた人の意思に反しても仕方がないという考え方が根底にあるのでしょうかねえ。

相続分の割合について

相続分に関しては、残された相続人の関係性(続柄)や数で変わっています。

例えば奥さんが亡くなり、相続人が旦那さんと子供二人で、相続財産が1200万円とすると、

法定相続分は

旦那さん:2分の1

子供:それぞれ4分の1となりますので、

実際の相続額は、

旦那さん:600万円、

子供:それぞれ300万円ずつとなります。

また奥さんが亡くなり、相続人が旦那さんと死んだ奥さんの両親(旦那から見て義父と義母)で、相続財産が1200万円だった場合は、

法定相続分は、

旦那さん:3分の2

奥さんの両親:それぞれ6分の1

となりますので、実際の相続額は

旦那:800万円

奥さんの両親:それぞれ200万円ずつとなります。

最後のパターン、奥さんが亡くなり、相続人が旦那さんと死んだ奥さんの兄妹(旦那から見て義兄)で、相続財産が1200万円だった場合は、

法定相続分は、

旦那さん:4分の3

奥さんの兄妹:4分の1

となりますので、実際の相続額は、

旦那さん:900万円

奥さんの兄妹:300万円となります。

この3つが民法の定める基本パターンとなります。

もちろん相続人の関係性や数によって変わっていますけど、この3つのパターンぐらいは覚えておきましょう。

あと代襲相続という制度もありますが、滅多に生じませんので覚える必要はありません。

相続分に関しては、死んだ人間に近い人間ほどたくさんの相続財産を相続できるように設計されています。

関係が近い人間ほど、死亡の影響が大きいからです。

これが相続分の基本理念ですので覚えておきましょう。

遺言状に名前がなくても遺産は貰える?

遺言状に自分の名前がないので遺産は1円も入ってこない。

そう考える人が大半なはず。

しかしこれも前述した通り、遺言状に名前がなくても最低限の財産は貰える場合が存在します。

それが遺留分(民法1028条)という制度です。

遺留分とは何?

相続財産のうち、死んだ人間の兄妹姉妹以外の相続資格者が最低限もらえる相続財産の割合を遺留分と言います。

要は遺言状で財産が貰えない場合であっても、相続する身分だったらいくらかの財産は保証されるというものです。

死んだ人間に依拠して生活している場合、相続財産無しで放り出すといろいろ面倒だから最低限生活できるぐらいの財産は分けてやろうという趣旨で作られたみたいですけど、実際今の日本で相続財産無しで生活できない人間ってどれくらいいるのでしょうかねえ。

つ~か、そんな人間に財産渡してもすぐに消費してしまい二進も三進もいかなくなるのが目に見えているのですが。

多分制度を作った人はそんなことまで考えてい無かったのでしょうねぇ。

ただ制度は制度。

対象となる場合は是非使うようにしましょう。

遺留分の額について

遺留分に関しては、民法にその割合が規定されています。

1 相続人が直系尊属だけの場合は本来の相続分の3分の1(民法1028条1号)。

2 1以外の場合は本来の相続分の2分の1(民法1028条2号)

直系尊属とは、死んだ人間の父母祖父母のことを指します。

(ちなみに死んだ人間の子供孫は直系卑属と呼びます)。

遺留分を具体的に見てみると、死んだ人に旦那と子供2人がいた場合で、相続財産が1200万円のとき、

本来の相続分は、

旦那:600万円

子供:それぞれ300万円ずつ

となります。

しかし遺言状で全相続財産を寄付するとされていた場合、

遺留分は、

旦那:600万円×2分の1=300万円

子供:300万円×2分の1=150万円ずつ

となり、

残りの600万円が遺言状に基づき寄付されることになります。

なおこの遺留分の制度は強行規定であり、どんなに相続財産をあげたくない場合であっても、原則この制度を排除できません。

ただし相続欠格や相続排除を使えば遺留分を与えないことも可能です。

欠格事由などの理由があればの話ですけど。

遺留分は法的に認められた権利であり、誰にはばかること無く行使できます。

前述したように遺言状があっても認められる権利ですので、該当する場合は行使するかどうか慎重に考えましょう。

ただ遺言状の内容は死んだ方の意思とも言えますので、そのことも少しは考慮しましょう。

もしこれからも親族つき合いするつもりならば。

もちろん自分の利益第一ならば、強欲と言われようとも遺留分を主張すべきですけどね。

相続税について

相続の中でもとりわけ面倒なのが相続税の申告です。

サラリーマンの方の多くは源泉徴収で勝手に税金引かれますので申告なんかやったことがない人ばかりだと思いますが、相続税に関してはこちらで計算して税務署に申告しなければいけないのです。

さらに相続税の申告には期限があって、原則相続開始を知った日から10か月以内。

意外と長いですがこんな期間あっという間に過ぎ去ってしまいます。

ここでは相続税の計算方法について概略を書いて行くことにします。

大雑把に書きますが、どういう風に計算するか知っておけば、いざ相続税を申告しなければ行けなくなった時に慌てることがありませんので。

ステップ1:課税遺産総額を確定しましょう

まず最初は相続税を計算する前提として、課税遺産総額を確定します。

相続人それぞれについて、実際に貰うことになる相続財産から非課税扱いとなるものや葬式の費用などを引きましょう。

これで出てきたのが課税額です。

そして相続人毎に出したこの課税額を合わせて出てくるのが課税遺産総額となります。

ステップ2:基礎控除を引いてから法定相続分に分割しましょう

課税遺産総額が出たら、これから基礎控除分を引きます。

基礎控除というのは最低限の財産を相続人に残すために設けられているもので、3000万円+法定相続人の人数×600万円で計算します。

例えば相続人が妻と子供5人ならば、

3000万円+5×600万円で6000万円が基礎控除です。

この基礎控除を引いた段階で課税遺産総額がマイナスになる場合は税務署に申告する必要がありません。

不動産などがない場合は、この段階でマイナスになる方が多いようです。

さてこれで出てきた金額、今度は法定相続人が法律通りの割合で相続したと仮定して相続人毎に分割してください。

実際は法定相続分通りに分割しないことも多いですけど、それを徹底すると面倒なので制度上、法定相続した体(てい)で計算することになっているのです。

そして相続人毎に分割したら、そこに相続税の税率掛けて、さらに法定されている控除額を引くことになります。

ここで控除されるのは基礎控除と別ものですのご注意を。

相続税の税率や控除額は国税庁のサイトに掲載されていますので、興味がある方は一度閲覧してください。

また1回見た場合でも相続に関する税金はコロコロ数字が変わりますので、必要になった場合はその都度参照するようにしましょう。

面倒臭いですが、こればっかりはしっかり確認しておかないと、大変な目にあいますので。

ステップ3:合算して実際の相続分に分割したうえで最後にまた控除

相続人毎に出した相続税を今度は再び足し算してください。

それが相続税の総額となります。

そして次に実際の相続分事に相続税の総額を分活しましょう。

それで出た金額に続柄毎の控除を施すことになります。

例えば死んだ人が奥さんだった場合、配偶者控除の対象となりますし、自分が未成年で死んだのが親だったら未成年控除の対象となります。

この控除を引いた金額が税務署に納付する相続税の金額となります。

以上が相続税の計算方法です。

足したり引いたりかなり面倒臭いですよね。

ハッキリ言って素人がやるには結構大変なものがあります。

そのため多額の相続財産がある場合は、自分で全部やってしまおうとせず、専門家に相談することをお勧めします。

終わりに

相続の基礎として知っておきたいのはこれぐらいでしょうか?

細かいことは覚えようとせず、制度趣旨や計算の流れを理解すればそれでOKです。

もちろん相続に興味を持ち、そこを入り口にしてFPや税理士に興味を持って、資格を取るのも当然ありです。

天蓋孤独でない限り、相続の知識や考え方は必要になってきます。

是非この記事をご活用ください。

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